2007,05,18, Friday
2007,05,18, Friday

2007/5/20 博麗神社例大祭 発行
CATARACT初の甘い本(ぉ
ラブコメとかの甘々はにゃーんな物語を書いてると、
恥ずかしくなってきて、軌道修正しちゃう北乃を、
そうはさせじと、七日ななやが鞭打ちまくった一冊。
どんな本だよ!
中身はマリアリ。あとマンドラゴラ。
詳細はサンプル本文でもお読みくだせぇ。
本文より抜粋
「何よ、風邪?」
情けないわねー……と、口で言いながら、内心では心配でしょうがない。
「おお。昨日の夜、ついつい薄着で本を読み込んじまってな」
「ばかねー」
「まったく、自分でも思うぜ」
「で、食事とかどーしてんのよ?」
「一応は、食べてるんだが……」
魔理沙がホレと示すのはベッドの脇にある小さなテーブル。そこにあるのはだいぶ堅くなったフランスパンと空のコップ。
「和食好きが珍しい」
「この間、咲夜に分けてもらったやつだ。とりあえず、調理しなくて食えるのはありがたかったからな。もっとも、乗せたり塗ったりするもんがないと味気ないが」
「なんであれ、まともなの食べてないんでしょ? キッチン借りるわね」
「おお! ありがたい。和食で頼むぜ」
「気がむいたらね。作ってもらえるだけありがたいと思いなさい」
「期待しまくって待ってるぜ」
「はいはい」
手をひらひらと振って優雅な足取りでアリスは寝室を出て行く。
そして、寝室のドアを閉めた瞬間、
「――――っ」
顔を真っ赤にしながら、アリスはへなへなと地面にへたり込んだ。
胸に手をあて、胸の動悸に静まれと念を送る。
まったくもって、なんで平然と会話できていたのに、魔理沙の姿が見えなくなった途端、こんなにもドキドキしてくるのだろうか。
(魔理沙に……料理を――)
きゃーっと声に出さないまでも、胸中で叫んで頬に手を当て身悶える。
(ああ、もう! これなんて新婚さん?)
新婚だんて――自分の妄想に萌えまくり、私ってば大胆なんだからとジタバタ。
「と……とにかく、料理を始めないとね、うん」
ひとしきり悶えてから、アリスは何とか立ち上がり、誰に対してなのかそう言って平静を装うと、霧雨邸の台所へと向かうのだった。
「まぁ、風邪の定番といえばお粥よねー」
なんともなしに独りごちながら、アリスはガサゴソとあっちこっちを漁って材料を探す。
自分の家のキッチンならいざ知らず、初めて入る他人の家のキッチンだ。まずは何がどこにあるか把握――ないし、必要なものを手元に用意しておく必要がある。
(ここで……魔理沙はいつも料理してるのよね?)
もやもやと、アリスの頭上にバルーンが立ち上り出す。そのバルーンの名は妄想雲。
(魔理沙が……エプロンをつけて……)
――と、そこではたと気がつく。
(魔理沙って、結構普段からエプロンつけてるじゃないッ!)
なんという迂闊な妄想。ちょっと残念。
(あ……でも、いつものとは違う……ピンクの可愛いやつ……とか)
アリスにしか見ることの出来ない妄想雲の中に、ゆっくりとこのキッチンで料理をする魔理沙の映像が映し出されていく。
魔理沙らしい白と黒の――でも、普段のとは違う、首から提げるタイプの可愛いエプロンをした姿。しかもなぜか裸だ。
「すごく……いい」
グッと胸元で拳を握りしめる。それから僅か数秒。ゆっくりと正気に戻っていく。
「――――ッ!」
頭が湯だってぷしゅーとか湯気を立てているような気がした。なんて恥ずかしいことを考えていたのだろう。
パタパタと大慌てて手を振って妄想雲を散らすと、釜に米と大目の水を入れる。
出来ることなら米は一晩水に浸しておきたいトコだが、即席で作るのだからそれは仕方がない。そのかわり――というには無理があるが、もち米があったのでそれを軽く混ぜておき、血行を良くする効果を付加しておく。
「うーん……私が作るからには、やっぱりもっと独創的なアレンジを――して、失敗するのも魔理沙に悪いから、素直に普通に作るとしましょう」
それでも多少は水に浸しておいた方が美味しく出来るだろうと考え、薬味に使えそうな材料がないか探す間だけでもやっておこくことにした。
そうして、探し始めて数分……
「あ。蓮子(れんす)があるじゃない」
栄養価も高く消化も良いため、お粥と食べるのに悪くない。
「――にしても……」
蓮子を手にしながら、それが入っていた戸棚を見てアリスは呻く。
「トリカブトの根やマンドラゴラと一緒に置いてあるこの実……色々と大丈夫かしら?」
というか、マンドラゴラはともかくとして――キッチンにトリカブトなんて置いておくな、とアリスは言いたくなった。
「ま、よく洗って使えば平気でしょ」
肩を竦め、蓮子をザルに入れると、次の食材を探し始める。
――で、最終的に見つかったのは、梅干、生姜、柚子、白菜、にんじん、黒ゴマ、ネギ、卵……と、いったところだ。
他にも直接料理とは関係のない、黒ヤモリの丸焼きとか蝙蝠の羽、何かの灰、ねむたい瞳、いやしの爪、ヘバタのタコムシ等の魔法薬の材料もついでに。この辺りは、あとで交渉してわけてもらうとして――
「さてと……これをどう使おうかしらね」
少し材料探しに時間が掛かってしまったが、そこはそれ。魔理沙には悪いが期待して待っている時間を増やしてもらおう。
「うん……愛を込めて作るからね」
愛を込め過ぎて一緒に魔力が込もって、生きたお粥とかにならないように注意だけしよう……そんな決意とともに、アリスのラブラブクッキングが本格始動するのであった。
「ラブラブだなんて……きゃー! 私ってば!」
いいから早く料理をしろ。
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「何よ、風邪?」
情けないわねー……と、口で言いながら、内心では心配でしょうがない。
「おお。昨日の夜、ついつい薄着で本を読み込んじまってな」
「ばかねー」
「まったく、自分でも思うぜ」
「で、食事とかどーしてんのよ?」
「一応は、食べてるんだが……」
魔理沙がホレと示すのはベッドの脇にある小さなテーブル。そこにあるのはだいぶ堅くなったフランスパンと空のコップ。
「和食好きが珍しい」
「この間、咲夜に分けてもらったやつだ。とりあえず、調理しなくて食えるのはありがたかったからな。もっとも、乗せたり塗ったりするもんがないと味気ないが」
「なんであれ、まともなの食べてないんでしょ? キッチン借りるわね」
「おお! ありがたい。和食で頼むぜ」
「気がむいたらね。作ってもらえるだけありがたいと思いなさい」
「期待しまくって待ってるぜ」
「はいはい」
手をひらひらと振って優雅な足取りでアリスは寝室を出て行く。
そして、寝室のドアを閉めた瞬間、
「――――っ」
顔を真っ赤にしながら、アリスはへなへなと地面にへたり込んだ。
胸に手をあて、胸の動悸に静まれと念を送る。
まったくもって、なんで平然と会話できていたのに、魔理沙の姿が見えなくなった途端、こんなにもドキドキしてくるのだろうか。
(魔理沙に……料理を――)
きゃーっと声に出さないまでも、胸中で叫んで頬に手を当て身悶える。
(ああ、もう! これなんて新婚さん?)
新婚だんて――自分の妄想に萌えまくり、私ってば大胆なんだからとジタバタ。
「と……とにかく、料理を始めないとね、うん」
ひとしきり悶えてから、アリスは何とか立ち上がり、誰に対してなのかそう言って平静を装うと、霧雨邸の台所へと向かうのだった。
「まぁ、風邪の定番といえばお粥よねー」
なんともなしに独りごちながら、アリスはガサゴソとあっちこっちを漁って材料を探す。
自分の家のキッチンならいざ知らず、初めて入る他人の家のキッチンだ。まずは何がどこにあるか把握――ないし、必要なものを手元に用意しておく必要がある。
(ここで……魔理沙はいつも料理してるのよね?)
もやもやと、アリスの頭上にバルーンが立ち上り出す。そのバルーンの名は妄想雲。
(魔理沙が……エプロンをつけて……)
――と、そこではたと気がつく。
(魔理沙って、結構普段からエプロンつけてるじゃないッ!)
なんという迂闊な妄想。ちょっと残念。
(あ……でも、いつものとは違う……ピンクの可愛いやつ……とか)
アリスにしか見ることの出来ない妄想雲の中に、ゆっくりとこのキッチンで料理をする魔理沙の映像が映し出されていく。
魔理沙らしい白と黒の――でも、普段のとは違う、首から提げるタイプの可愛いエプロンをした姿。しかもなぜか裸だ。
「すごく……いい」
グッと胸元で拳を握りしめる。それから僅か数秒。ゆっくりと正気に戻っていく。
「――――ッ!」
頭が湯だってぷしゅーとか湯気を立てているような気がした。なんて恥ずかしいことを考えていたのだろう。
パタパタと大慌てて手を振って妄想雲を散らすと、釜に米と大目の水を入れる。
出来ることなら米は一晩水に浸しておきたいトコだが、即席で作るのだからそれは仕方がない。そのかわり――というには無理があるが、もち米があったのでそれを軽く混ぜておき、血行を良くする効果を付加しておく。
「うーん……私が作るからには、やっぱりもっと独創的なアレンジを――して、失敗するのも魔理沙に悪いから、素直に普通に作るとしましょう」
それでも多少は水に浸しておいた方が美味しく出来るだろうと考え、薬味に使えそうな材料がないか探す間だけでもやっておこくことにした。
そうして、探し始めて数分……
「あ。蓮子(れんす)があるじゃない」
栄養価も高く消化も良いため、お粥と食べるのに悪くない。
「――にしても……」
蓮子を手にしながら、それが入っていた戸棚を見てアリスは呻く。
「トリカブトの根やマンドラゴラと一緒に置いてあるこの実……色々と大丈夫かしら?」
というか、マンドラゴラはともかくとして――キッチンにトリカブトなんて置いておくな、とアリスは言いたくなった。
「ま、よく洗って使えば平気でしょ」
肩を竦め、蓮子をザルに入れると、次の食材を探し始める。
――で、最終的に見つかったのは、梅干、生姜、柚子、白菜、にんじん、黒ゴマ、ネギ、卵……と、いったところだ。
他にも直接料理とは関係のない、黒ヤモリの丸焼きとか蝙蝠の羽、何かの灰、ねむたい瞳、いやしの爪、ヘバタのタコムシ等の魔法薬の材料もついでに。この辺りは、あとで交渉してわけてもらうとして――
「さてと……これをどう使おうかしらね」
少し材料探しに時間が掛かってしまったが、そこはそれ。魔理沙には悪いが期待して待っている時間を増やしてもらおう。
「うん……愛を込めて作るからね」
愛を込め過ぎて一緒に魔力が込もって、生きたお粥とかにならないように注意だけしよう……そんな決意とともに、アリスのラブラブクッキングが本格始動するのであった。
「ラブラブだなんて……きゃー! 私ってば!」
いいから早く料理をしろ。
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